COLUMN
2.92016
補装具業者の目線で見る、歩行器制度の問題提起!
(平成28年2月9日現在 北海道の問題です)
私は、歩行器を利用したい少数の人が、基本的人権から大きくかけ離れているように思えてなりません。
「国も障害者権利条約(障害者の権利を保障する決まり)に同意したはずなのに・・・」
このような事については賛否両論だと思います。ですが、私はこれは切り込んでいかなくてはいけない問題だと感じています。
市町村の理解が深まることを願って、今回は歩行器に関する問題提起をさせていただきます。
※市町村によっては理解してくださり、的確な歩行器を納品できることもあります。
(出典:松永製作所歩行器SM-40)
まずは小児の歩行器の支給に関して
たとえば、
・値段が高くて90%の良いパフォーマンスを発揮できる歩行器
・補装具制度に納まる金額の60%程のパフォーマンスので歩ける歩行器
の2つがあるとします。
この場合、国は「60%の方でよいではないか?」と言います。 「2番目ではだめなんですか」と言う台詞が懐かしいですね・・・。60%なんて2番目でもないでしょうが・・・。
※しかし60%の時のスピードの遅さは、使用者にとってどれほど不便か・・・。 この不便さが、障害者の方の「歩く」というモチベーションも大きく下げてしまう事につながります。
もちろん歩行器が必要な方の中にも、SRC-W(エスアールシーウォーカー)やPCW(ポスチャーコントロールウォーカー)などの、「一般的な歩行器で十分だ」という方も大勢いらっしゃいます。
また例外もあります。通常の歩行器では安全が確保できない、大きさがあわないという場合は特例の歩行器も認められます。
そこから漏れてしまうと苦しいのが現状です・・・。
成人、お年寄りの特殊な歩行器の問題
○施設に入っていると、施設で準備してあげることが基本です。
しかし施設で準備している歩行器では乗れないことも有ります。その場合はオーダーメイドで支持部を作りたいのですが簡単には作らせてはいただけません。
作れる例としては、「オーダーメイドで支持部を取り付けた歩行器を利用すれば腕の炎症が回避できる。」などがあります。
使うことにより使用者の体の負担がなくなるようであれば可能となればいいのですが、そこが問題の表現なのです。
「馬蹄型の歩行器では腕が痛くなって30分も歩行器を利用できないので、耐圧分散補助素材や本人に会った馬蹄をオーダーメイドすることで3時間利用できるようになる。」
という理由では出してもらえません。あくまで、「炎症が抑えられる」ということが必要のようです。
また、車椅子製作時は”製作”と”修理”の項目から必要な物を選べるのですが、歩行器製作時は”修理”の項目は利用できません。 グリップ、ブレーキ付きで制度内で収まるもので乗れるように成るのであればいいのですが、収まらない分は実費購入となります。
実費を負担できない方は歩行難民になってしまいます。
私の歩行器制度への問題提起
さて、本来、歩けるのであれば歩いていただきたい。また、その方が健康的です。
現在の歩行器の制度に関していえば、
「車椅子で安全を確保して、衰えてくださいね」
といっているように感じます。
これは老後を著しく面白くないものにしてしまいます。 危ないからお茶は職員が、危ないからトイレを職員が付き添う。など介護現場特有の生きがいを剥いでしまうことが日常化していますが、安全を確保しつつもやりがいを作っていく合理的配慮が必要ではないでしょうか。
歩行器によるヒヤリハットも少なくはないです。少しの段差でも危険が伴うこともございます。
しかし、それも整って安全が確保でき、歩行が長時間可能で元気に過ごせるのであればそれを妨げることの無い様に訴えて行きたいですね!
国はすぐにでも検討機関を設け、適した歩行器を利用できるように考えていただきたい。
それが歩行器利用者の自己決定につながり生きがいに繋がるのです。
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