COLUMN

レーサーは買えないから普通の車椅子をいかに早くするか!

さて、ざっくばらんなタイトル失礼いたしております。

レーサーと普通の車椅子のスピードは段違いですが、普通型の車椅子だって十分に走る事が可能です!

と言うことで、この後に書く事はすべて自己責任の上で、チャレンジしてください。 くれぐれも怪我の無いように注意をしてください。

スポーツは危険と隣り合わせですからね。脅しではなく、本当に安全を確保できるよう無理なく楽しくマラソンを楽しめるように準備をしましょう!

よほどの自身が無い限りは、近くの業者さんで作業をしてもらうようにしてください。

 

まずはレーサーの値段
今日本で購入できる一番低価格なレーサーーはMikiさんのスピードッキングⅢ 35万くらいで購入できます。

って、35万・・・弊社の営業者のセレナ(商用車に変更済み)が買えます(汗)

もちろんスポーツ用の車椅子には助成もありませんので全額自己負担になります。

なので、多くの車椅子ユーザーは日常利用している車椅子のままでマラソン大会に出場します。

因みにレーサー禁止と言う大会も有りますのでその場合は逆に日常用の車椅子で争えるので楽しいですよね。

脱線しますが、旭川のマラソン大会も今までのコースであればレーサーは厳しいですが日常用の車椅子であればエントリー可にしてもらいたいですね!

 

さて、ではどんなところに気をつければいいのでしょうか。

1、キャンバーは有った方が良い!

キャンバー角2°とかでも有るのとないのとでは段違いです。機種によっては3°とかもつけられる機種が有りますよね。
写真の車椅子は、キャンバー角を変更できるアタッチメント快適RACRECと言う製品がついています。
普段は0°とか3°とか、スポーツをする時は12°にキャンバーをつけることが出来るので、カーブの多いコースであればお勧めです。

 

2、キャスターの大きさ、太さは!! これは非常に難しい問題!。


幅の広い屋外用キャスターだと地面との設置が多いため早く走れません。細くて硬い方が望ましいです。 また、キャスターの径は小さいほうが、スピードを出してもブルブルしづらくなります。 しかし、ちょっとした石やガタガタにつまづきやすくなってしまいます。
ご自身の身体状況を加味して、安全なところから徐々にキャスターを小さくしていくと言うのがよいかと思います。

 

3、キャスターを小さくしてもスピードを出していくとキャスターがブルブルしてしまいます。

そんな時は、キャスターフォークの軸をちょっと閉め気味にして、回転し辛くしてしまうと言うのも手です!(普段は乗りずらいですが、ブルブル言わなくなりますよ!! マラソン時の超お勧めの設定です。
予断ですが電動車いす6kmなどのスピードでブルブルしてしまう時も普段からこの設定にしておくことをお勧めします、電動にショックアブソーバー付きのキャスターをつけたときなんかは弊社では必須です)

 

4、タイヤ!!

スピナジーホイールとかそれが購入できればそれに越した事は無いのですが(汗)まずは今ついているホイールで!
と言うことで答えは!! タイヤを細めの高圧タイヤに変更しましょう!
以上。

 

5、フレームのリジット化!

普段は折りたたみが出来ないと不便ですがエックスフレームとサイドフレームをタイラップで固定しまくる!!!
フットプレートをジョイントタイプのものにする。 もち手部分なんかに抜きを入れ左右をなるべくくっつける。

とたくさん書きましたが要するに、右と左のサイドフレームがなるべく連動して動くようにカチカチにフレームを固めると良いのです。

 

5、泥除け、肘掛をはずす。

泥除け、肘掛など一生懸命にこぐには邪魔になる事があります。 肘掛が無いと移乗が出来なくなったりプッシュアップしづらくなったりしますので、事前に大丈夫かを確かめましょう。
泥除けがないと洋服とかが汚れてしまったりします。 汚れづらい服装をするとよいと思います。レースですから!レース用の服装で気合を入れれば一石二鳥?

 

7、ブレーキをはずす。

あえて肘掛と泥除けとは別に書いたのですが、これは実は安全面が著しく向上するのです! そして別の意味で安全面が低下もするのです!
と申しますのも、ブレーキは基本的にはタイヤの上に来ています。下のほうに取り付けているとしても頑張って車椅子をこいでいると、ここに指を挟んでしまうと言うケースが多々有ります。腹筋を使える方に多いです。
しかし、一方でブレーキがないと乗り降り時に危険が増してしまったり、いつもついているものだと勘違いしてブレーキが無い事を忘れてしまったりなどリスクが伴いますのでご注意を。

 

規制のブレーキでこんなブレーキも有ります!

シザーブレーキ(松永製作所)

 このブレーキはブレーキを解くとタイヤ上にブレーキが残らないようになってくれます。 上のほうにブレーキが必要な方などには特にお勧めです!

 

8、車軸の前出し

車軸位置の変更が出来る機種と出来ない機種がありますが、より早く走るためには重心が車軸に乗るようにセッティングしたいところ!!
しかし、この設定は後ろに倒れやすくなってしまうので、転倒防止装置が必須です!

 

9、ハンドリム

こぎやすいハンドリムは人それぞれです! ですが、ここを軽量化するとスピードが違ってきます。
たとえば滑り止めのハンドリムコーティングをしているとタイヤが早く回れば回るほどぶれが大きくなります。その場合はチタンやアルミに変えて、滑り止めのついた手袋などで上手にこげるように設定する事をお勧めします。 本格的な手袋だと怪我の防止にもなりますよ!

 

10、介助者用のもち手に関して

写真向かって左はこごうとすると腕が介助用持ち手にぶつかってしまいます。 右はまったくぶつかることは有りません。
普段利用でも右は有効です。移動の時に腕がぶつからないのでゆっくりこぐにしてもロスが有りません。 何かあったときには介助用グリップも有るので周囲の人が何らかの対処がしやすかったりします。
出来れば背パイプよりも後方そして、胴体の幅と同じくらいの間隔の位置に設定したいところです。 子ども用ではそういった形の車椅子も結構有るのですが大人の場合は背パイプと同面に差し込む形のものが多いのでこぎ辛いんですよね・・・。
弊社では、高さ調整式もち手や折りたたみ機構つきのこぎやすい位置に持ってきたもち手オプションを製作しておりますので興味の有る方はご連絡ください。

 

11、無理しない、長い人生です無理なく徐々にタイムを上げていきましょう! そして、コースを理解してから安全計画を立て本気モードでGO!!です!

最後に、マラソン時にも強い車椅子を作る時に注意したいところ。
制度を利用して製作するのですから日常の生活を100%カバーできるつくりが大前提!
そこからいかにレース時にいかに最適化していくかと言うことを心がけましょう。

むしろ日常も120%になってしまうくらいの改造を目指しましょう! 普段使いというと実は今普及している車椅子よりもアクティブに動ける可能性があるんです。 その一つにリジット車椅子なんていうのもあります! 折り畳みが出来ないのでそこは不便です10%減、しかし乗っているときのアクティブさは増します!30%アップしちゃったりします!

今回はそれほどお金のかからないセッティングや改造方法を書いてみました。上を見たらきりが有りませんが限られた予算や環境の中でいかに頑張れるかも色々な刺激になってよいと思っています。
まずはチャレンジ!自分で目標を見つければ自ずと頑張れます。そこからステップアップしていきましょう!

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コメント

    • ひらせ
    • 2018年 3月 25日

    常用車いすで出られるマラソン大会は無いと思っていたので、何をやるにしても自分自身で自己完結しかなかったです。

    でも、ふと調べてみたら、フルマラソンをさせてくれるところはよく分からなかったけど、常用車いすでも、わりと長い距離を走らせてくれる大会がそれなりにあることに気付いて、近くyではやっていないみたいだけど、機会があったら、出てみたいなぁと思いました。

    • ひらせ
    • 2020年 2月 25日

    こんなところに、自分の書きこがあったなんて・・・忘れてました(^^;)。

    二年前にカキコした頃はマラソンなんて夢のまた夢って感じだったけれど、去年、常用の車いすでも、フルマラソンをやらせてくれるマラソン大会を知ったので、去年出ました。佐渡の、ときマラソンです。今年も出てきます。目指せ、サブ4です。

      • 泉谷 昌洋
      • 2020年 2月 27日

      書き込みありがとうございます。
      前回の書き込みに返信もせず大変申し訳ございません。

      常用でフルマラソンいいですね!

      弊社のある旭川はまだ3kmのファミリーランにしか車いすでは出場できませんので佐渡トキマラソンの情報周りの皆さんにも伝えていきたいと思います。
      サブ4目指して頑張ってください!!

      ところで、調べてみてもトキマラソンの車椅子の参加について情報を見つけられません。
      逆に開かれた大会なのだろうと推測するのですが、よろしければ、エントリー方法など一般申し込みと違うのか、それとも一般として申し込むだけでOKなのかなど教えていただけると幸いです!

    • ひらせ
    • 2020年 3月 10日

    遅くなってすいません。

    佐渡の「トキマラソン」ですが、今年はコロナの影響で3月27日まで分かりません。私は、やるつもりで、行くつもりで思ってます(笑)。

    それで、車いすでの出場の可否ですが、自分が去年、佐渡の大使の方に「常用車いすで出てイイのか?」と聞いたら「出たいなら出てもイイ」と本部の了承を得たそうです。だから去年の自分は、出れるのは嬉しかったですが、レース中に転倒などの失敗があったら、後々禁止になると思ったので、楽しさ半分、プレッシャー半分で、割と必死にゴールしました(^-^;。

    常用車いすでフルマラソン、初出場、初完走だったのですが、何とかなったと思うので、何も書いていないのだと思います。ですから、申し込みは一般で構わないはずです。去年のフルマラソンは自分しか車いすはいませんでしたが、特に珍しい目で見られることも無く、皆と同化していたと思います(笑)。

    因みに今年のトキマラソンは、まだ募集をしてるそうです。中止になるかもしれませんが、募集してます。フル、ハーフ、10km、5km等、色々あったと思うので、とりあえず何かにエントリーされてみては如何でしょう?是非是非~♪

    自分は今年も、視覚障がい者仲間と新幹線とジェットフェリーで佐渡に行きます!!!、

      • 昌洋泉谷
      • 2020年 3月 11日

      ひらせさま、返信ありがとうございます!
      なんと、常用でのフルマラソンはお一人でのご参加だったのですね。
      失敗があったらなどのプレッシャー分かります! 私も旭川のハーフマラソンにかかわっているのですが、まずは安全に理解を深めていくことは大切だと思いますので!

      トキマラソン!新型コロナが一定の収まりを見せて開催できるといいですね。
      まだ参加募集もしているとのこと、この書き込みを見た方是非ご検討ください!

      全国で常用車椅子でのマラソンの輪が広がるよう今後ともよろしくお願いいたします!!

    • ひらせ
    • 2023年 5月 25日

    お久しぶりに来ました。

    今年は、佐渡のトキマラソン、久々に開催しました。4月の23日の日曜日でした。去年も開催したのですが、去年は大会10日くらい前に佐渡でコロナが急拡大したために、多懸念からの人を受け入れられない状況だったみたいで、申し込んでいたのに、2週間を切って、急遽中止になり、今年はそんなこともなく、すごい久々に開催されました。

    でも、自分の黒くは散々なもので、前に初出場したときよりも30分くらい遅くなってしまいました。自身の体力低下?もあると思いますが、車いすが変わってしまった為に、こぎ辛くなったのも、少しは影響しているかもしれません。今回は42.195km・・・4時間43分でした(^^;)。因みにフルマラソンのエントリーは自分だけでした。ハーフと、5㎞?3㎞?のチャレンジに一人ずつ出ていたと思います。ですから、大会全体では、計3人のエントリ^-でした。みんな健常者に混じって走ってました。

    見直す部分は少しずつ分かっているので、来年もまた出ます!トキマラソン、http://www.scsf.jp/marathon/index.html   ←これ2023年のと決マラソンのHPです。

      • 昌洋泉谷
      • 2023年 5月 31日

      トキマラソンお疲れさまでした。
      今回もご報告ありがとうございます!

      無事開催されたとのこと、コロナの影響がなくなっていき楽しみが一気に増えてきましたね!

      4時間43分とのこと、十分素晴らしい記録だと思いますが、来年のタイムがさらに良くなるように願っています!
      どんどん他の車椅子ユーザーも出場してくれるといいですね。

      こちら旭川は、昨年はハーフオンリーの開催で、車いすで出場できるカテゴリー自体が無く残念だったのですが
      今年は10kmも車いすで走れることになりました。
      コースが河川敷でして、車幅が狭いのが心配の種の旭川ですがみんなで楽しめるイベントに成長しつつあります。

      情報交換今後もなにとぞよろしくお願いいたします。

        • 平瀬 知
        • 2023年 6月 02日

        こんにちは。自分はレーサータイプの車いすを使ったことが無いので、それならば、どのくらいのタイムが出せるのか興味はありますが、あの車いすではマラソンを続けられる自信がないので、常用タイプで頑張るしかありません(^^;)。今回の4時間43分7秒という記録は、初めてチャレンジしたときとは車いすが変わっていて、進み辛かったことも起因していたと思うので、初回よりも30分近く遅くなっていました。ですから終えてから、出来る範囲で乗り心地のセッティングも見直しつつ出歩いているので、次回の大会では、少しはタイムの短縮が見込めるのではないかと思っています。

        旭川で10㎞とはいえ、クローズドされたコースでの走行が出来て良かったですね?走行距離が希望通りではなかったとしても、クローズドされたコース内での走行は、終えたときに何らかの達成感があると思います。旭川は本州で走るよりも、基本が低そうで、マラソン向きの気候でランが出来そうですね(^^)

        私は先週、所属している「アキレス」というマラソングループの方が主催している5km、10kmのみの小さな++++++++マラソン大会に出ました。10㎞で52分41秒もかかってました。出場人数は100人位なのですが、視覚障がい者がメインの催しでしたから、車いすでの出場は私だけでしたし、車いす部門があったら、クラス優勝だと思います(笑)。

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